2026.10.22 コラム
工場のFA化・自動化はどこから始める?|FDK解説コラムVol.6

人手不足や生産性向上を背景に、工場のFA化・自動化を検討する企業が増えています。しかし、実際に進めようとすると、
「どの工程から自動化すればいいのか分からない」
「どれくらいの費用がかかるのか」
「今ある設備を活かして自動化できるのか」
と悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。
FA化は、最初から工場全体を大規模に自動化する必要はありません。むしろ、現在の工程を整理し、「どこに課題があるのか」「どこを自動化すると効果が大きいのか」を見極めることが重要です。
この記事では、工場のFA化・自動化をどこから始めればよいのか、その基本的な流れや考え方を分かりやすく解説します。
FA化・自動化とは?
FAとは「Factory Automation(ファクトリーオートメーション)」の略で、工場内の作業や設備を自動化する仕組みを指します。これまで人が行っていた作業を、機械やセンサー、PLC、ロボットなどを使って自動化します。
FA化というと、大規模な設備更新をイメージするかもしれません。しかし実際には、センサーを追加する、手動操作を自動運転にするといった小規模な自動化もFA化の一つです。
まずは「何を自動化したいか」ではなく「何に困っているか」を考える
FA化を検討するとき、最初に「どんな機械を入れるか」を考えてしまうことがあります。しかし、まず整理したいのは「現在どこに課題があるか」です。
具体的には
- 人手が足りない
- 同じ作業を何度も繰り返している
- 作業者によって品質にばらつきがある
- ミスが起こりやすい
- 重いものを運ぶ作業がある
- 危険な作業がある
- 生産量を増やしたい
- 夜間や無人でも設備を動かしたい
などです。課題を整理したうえで、その解決方法としてFA化を検討することが大切です。
工場のFA化はどこから始める?
FA化は、一般的に次のような流れで考えていきます。
1.現状の工程を確認する
2.課題を洗い出す
3.自動化する工程を選ぶ
4.費用対効果を確認する
5.設備や制御方法を検討する
6.設計・製作
7.試運転・調整
ここからは、それぞれのポイントを見ていきましょう。
1.現在の作業工程を整理する
まずは、現在どのような工程で生産しているのかを整理します。そのうえで以下を確認します。
・誰が何をしているのか
・どれくらい時間がかかっているのか
・どこで待ち時間が発生しているのか
工程を可視化することで、どこに改善の余地があるのかが見えやすくなります。
2.人手がかかっている作業を探す
次に確認したいのが、人手が多くかかっている工程です。繰り返し作業や単純作業は、自動化による効果が出やすい場合があります。こうした工程を洗い出すことで、FA化の候補が見えてきます。
3.ミスが起こりやすい工程を確認する
FA化は、人手不足だけでなく品質の安定にも役立ちます。
例えば、数え間違いや入れ忘れ、検査漏れ、作業順序の間違いなど、人による作業ではどうしてもミスが発生することがあります。センサーや制御システムを使うことで、規定数になったら自動停止したり、異常があれば次の工程へ進まないといった制御が可能になります。
ミスが発生しやすい工程は、自動化を検討するポイントの一つです。
4.危険・負担の大きい作業を確認する
作業者の安全性や身体的な負担も、FA化を考える重要なポイントです。搬送設備やロボットなどを導入することで、人が行っていた負担の大きい作業を減らせる場合があります。
FA化は、生産性だけでなく、働く環境の改善にもつながります。
5.「自動化しやすい工程」から始める
工場全体を一気に自動化しようとすると、設備投資も大きくなります。そのため、最初は効果が分かりやすく、自動化しやすい工程から始める方法もあります。製品搬送や個数カウント、センサーによる検知などです。
一つの工程で効果を確認しながら、徐々に自動化の範囲を広げていく方法もあります。
6.費用対効果を考える
FA化では、導入コストだけを見るのではなく、導入後にどのような効果が得られるかを考えることが重要です。
- 何人分の作業を減らせるか
- 作業時間をどれだけ短縮できるか
- 不良やミスをどれだけ減らせるか
- 生産量をどれだけ増やせるか
- 安全性をどれだけ高められるか
などです。
また、設備を新しく作るだけでなく、現在使用している設備を改造することで費用を抑えられる場合もあります。
既存設備を活かしてFA化できる?
既存設備を活かしながら自動化できるケースはあります。設備全体を入れ替えなくても、制御部分を改造することで自動化できる場合があります。
「設備が古いから全部交換しなければならない」と決めつけず、現在の設備を確認したうえで検討することが大切です。
FA化で制御盤が重要な理由
工場の自動化では、機械そのものだけでなく、それを動かすための制御システムが必要です。そこで重要になるのが「制御盤」です。
制御盤の中には、PLCやリレー、ブレーカー、インバータ、電磁接触器、端子台などの機器が収納されています。
制御盤は以下のような動作を制御します。
センサーが製品を検知する
↓
PLCが信号を受け取る
↓
モーターへ指示を出す
↓
コンベアが動く
そのためFA化では、「どんな機械を使うか」だけでなく、「その設備をどう制御するか」を考えることも重要です。
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FA化を進める前に確認したいこと
FA化を検討するときには、次のような情報を整理しておくとスムーズです。
- 現在の作業工程
- 自動化したい作業
- 現在困っていること
- 生産量
- 必要なサイクルタイム
- 製品の種類
- 設備の設置スペース
- 既存設備の図面
- 現在使用している制御盤やPLC
- 今後の生産計画
FA化で失敗しないために大切なこと
FA化は、設備を導入すること自体が目的ではありません。
導入後に、「あれもすればよかった!」と思わないように、実際の作業内容や将来の変更も考えて設計することが重要です。
また、設備を作るときには、操作しやすいか、メンテナンスしやすいか、異常時に安全に停止できるか、将来的に改造できるかといった点も考える必要があります。
まとめ|FA化は現場の課題を整理するところから始めよう
工場のFA化・自動化を進めるときに、最初から工場全体を自動化する必要はありません。まずは、現状の悩みや困り事を明確にしましょう。
そのためには「どこに人手がかかっているのか」「どこでミスが起きているのか」などを整理することから始めます。そのうえで、自動化しやすく効果の高い工程から導入を検討していくとよいでしょう。
また、既存設備にセンサーやPLCを追加したり、制御盤を改造したりすることで、自動化できる場合もあります。
「工場を自動化したいけれど、何から始めればいいのか分からない」
「今ある設備を活かして省人化したい」
「一部の工程だけ自動化できないか相談したい」
という場合には、まず現在の設備や作業工程を確認し、課題を整理しましょう。それがFA化の第一歩です。
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